ベンチャー起業論サポーター
合力 知工氏
福岡大学 商学部経営学科 教授
ベンチャー起業論との出会い
皆さん、こんにちは!
私がベンチャー起業論に参加し始めたのは、ビジネスプランコンテスト(2015年)の特別審査員を依頼されたときからです。その後、阿比留先生とメンターの永野さんと3人でお話しする機会があり、以降、メンターとして関わらせていただくことになりました。
商学部所属の私が経済学部の講義に参加することに、多少の迷いはありましたが、参加しようと決めたのは、商学部棟(2号館)の1階ロビーやその他のフロアで、ベンチャー起業論の受講学生たちがホワイトボードを使ったりなどして、夜遅くまで議論している姿を連日目にしていたからです。
礼儀を重んじるベンチャー起業論生
こうした熱心な取組姿勢には、日常の習慣も大きく関係していると思います。ベンチャー起業論の受講生たちは、礼儀正しく、とても爽やかです。2号館のエレベーターで会った際には、ニコッと笑って元気よく「こんにちは!」と挨拶してくれます。1階ロビー横を通るたびに、「合力先生、おはようございます!」と、こちらが恥ずかしくなるくらいの大きな声で挨拶してくれた林田(茉優)さんは特に記憶に刻まれています(笑)。
「習慣が人をつくる」とも言われますが、礼儀を重んじる習慣もベンチャー起業論生たちの活動のすばらしさの一因ではないかと私は考えています。
活動をより充実させるためには…
私は今年(2023年)で福岡大学に着任してからちょうど30年になります。着任当初、教壇で90分の講義をするために、膨大な時間をその準備に費やしました。いわゆる「氷山の一角」理論です。海上に見えている氷山(90分)は、実は全体の一角に過ぎず、その下にはその数倍の「土台」がある、ということです。
企業対決やコンテストでプレゼンする時間は10分程度かもしれませんが、その成功は、事前準備の入念さと比例すると思います。事前準備を入念にやればやるほど、「土台」が安定するので、自信が沸き、緊張も少なく、プレゼンがうまくいく可能性が大になります。逆に、手抜きをすればするほど、プレゼンの結果は…言わずもがなです。
では、活動をより充実させるためには何が必要でしょうか。それは、活動に費やす努力と時間を「費用(なるべく短く、安く抑えようとするもの)」ではなく、「投資(大きなリターンを得るために必要なもの)」であるとする「モノの見方」だと私は考えます。
人の行動は考え方(モノの見方)が大きく影響します(「影響する」とやや控えめに言いましたが、実際は「決定する」と言っても過言ではないと思います)。
努力を「費用」と考えている人に主体的な行動は望めません。しかし、「今自分が取り組んでいる活動は、将来、絶対に自分に役立つ」という強い信念を持てば、必然的に主体的行動が取れるようになり、良い結果を掴み取ることができると信じています。