ベンチャー起業論サポーター
鄭 雨宗氏
福岡工業大学 社会環境学研究科長
Breakthroughという出会いから阿比留教授との縁
阿比留先生との出会いは2015年のBreakthroughでの特別審査員を頼まれたことから始まりました。しかし、その時も阿比留先生から直接連絡をもらった訳ではなく、当時のBreakthrough代表の田中京介君からの連絡でした。その後、田中君が研究室に訪問してきて、福岡大学でのBreakthrough活動についてその趣旨説明をしてもらい、面白そうだなと思い、軽い気持ちで特別審査員に臨みました。しかし、今まで見たこともない学生の活気溢れる姿、本気で臨む姿勢、まさに企業と学生が本気で取り組むその現場はある意味「衝撃的」でした。その後からすっかりBreakthrough活動の虜になり、活動を支援するため個人会員にもなって、学生活動を支援してきました。数年間の特別審査員をする間、自分のゼミ学生にもBreakthrough活動を進めるようになり、毎年ゼミ学生が参加するようにもなりました。そのうち、ゼミ生が運営にも参加するようになり、その学生が阿比留先生の高校の後輩でもあり、阿比留先生から色々と声をかけるようになりました。以降、阿比留先生からNPO法人ASIAの理事の推薦を受け、理事として、阿比留先生の活動に少しずつ深く携わるようになりました。
学生の成長を何より大事にする教育哲学
最初は何でこういう手間のかかることをするだろうと疑問もありました。大学の教員は教育と研究、それに大学運営に携わることが普通ですが、阿比留先生は学生の成長を何より大事にしていました。多くの大学教員は論文や著書を世に出し、その成果に大学教員としての大きな役目を感じた訳ですが、一切そういう所には興味もなく、学生には「人生の経営者になる」という明確は目標を与えていました。そこには強い信念があるだろうと思い、阿比留先生が書いた論文を目にすることにしました。その論文には阿比留先生がこの活動をはじめた契機や思い、信念などを感じ、やっと理解することができました。それは2022年のことでした。
Breakthrough活動の継続と新展開
阿比留先生は来年3月に退官を迎え、その後の活動が不透明な状況でもあり、また昨年からは長期入院まで重なり、Breakthrough活動を誰がどのように進めるのか、そもそも続けられるかどうかも怪しい時期でした。
僕自身は阿比留先生との出会いがあり、学生、メンター、OBOGなど多くの人と繋がることになりました。自分の力は微力ではありますが、阿比留先生が今まで築いたものを少しでも良い方向で進めていこうと思います。
昨年からは多くの周りの方の助けがあり、Breakthrough活動を再スタートすることができました。これからは今までとは異なる形になるかもしれませんが、「人生の経営者になる」というスローガンの下、新しくBreakthrough活動を進めていこうと思います。阿比留先生は来年3月で大学教員としては退官となりますが、これからも色々とご指導を賜りますようお願いします。早く元気な姿でお会いできる日を楽しみにします。
※「Breakthrough」は、2011年に阿比留教授を中心に始まった、大学生と留学生が協働し、企業の問題解決に向けて9ヶ月間実践的に取り組むプロジェクトベースドラーニング。学生たちは実践的なスキルやリーダーシップ力を身につけます。