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2022年04月29日講義

MeRISE(株) 取締役COO

渡辺 和喜 氏

いつもお世話になっている皆様へ

昔プロジェクトで大活躍だった

ベンチャー起業論卒業生

 

 4月29日の講師は今回初登場の渡辺和喜さんです。渡辺さんは、ベンチャー起業論の卒業生で、学生時代にベンチャー起業論のプロジェクト活動として、当時福岡ダイエーホークス、福岡ドーム、ホークスタウンという福岡3点セットの代表を務められていた高塚猛さんをインターンシップ先として活動していました。確か、ベンチャー起業論の講師として高塚さんにお願いしていた縁でプロジェクトがスタートしたのですが、福岡の最高の舞台と当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった高塚さんという最高の後ろ盾を持って学生ならではの独創的なプランを提案していました。例えば、結婚前のカップル対象にブライダルフェアを開催し、ドレスを着たりネールをして、多くの結婚予備軍を対象にセレブの世界を実感することでシーホークの魅力を体験してもらう企画を実現しました。その際に30のメディアの取材を受けるなど、その時の企画としては大成功を収めました。

オリジナリティにこだわりこと

オリジナリティを捨てること

 

その成功に自信を持った彼は卒業後も起業家として、生きていく決断を下したのですが、

2年で経営的には継続できない状況になります。今回の講義の中で、その失敗の原因として渡辺君がオリジナリティにこだわったことを挙げていたのとても嬉しかったです。教え子の失敗を「嬉しかった」と表現することは不謹慎ですが、ベンチャー起業論でずっとこだわっていたことが、「オリジナリティを捨てる。」ことだからです。

ベンチャー起業論は元々、学生にビジネスプランを考えさせることを目標に立ち上げたプログラムでありました。しかし、何不自由なく過ごしてきた学生たちに、「社会の不便、不満、不快などのマイナス」を「便利、満足、快適などのプラスに変えるビジネスプランを考えてください」と言っても、かなり無理があることから、現場から学ぶことを目標とした「守破離」を軸を置いた今の形になった経緯があります。

ですから、渡辺さんがオリジナリティにこだわった結果、例えば、無人島での結婚式など独創的なプランを計画したとしても、移動手段から、料理、場所まで全て自前で準備しようとすれば、採算ラインに乗らず、月の売り上げが5万円で、それを社員で分配しようにも分子が小さすぎ、経営者の給与すら出ないという大失敗をしたという話には大いに納得するものでした。

講義での彼の失敗談が

彼の人生を大きく分けるきっかけに

 

その頃、彼の失敗談がとても面白かったので、講義で話してくださいとお願いしたのですが、彼にとっては彼の人生を大きく分けるきっかけになったとは知りませんでした。たまたま、株式会社ドーガンという地域特化型のファンドの社長である森大介さんにも講義に来て頂いており、渡辺さんの失敗談を聞いてもらっていて森さんが渡辺さんに興味を持ってく

ださいました。先日の講義で聞いた話ですが、その時、森さんに「明日から来れますか」ということでその場で採用決定となったようです。本気でオリジナリティにこだわった仕事をしていた渡辺さんの仕事ぶりが森さんの目にはとても新鮮に映ったようです。

渡辺さんは出社する時、パソコンから筆記用具に至るまで全て、自分で揃えるのは当たり前と思っていたところに、会社に行ったら全て揃っていて感動したという話を聞いて、森さんも絶滅危惧種ばりの珍しい人間に出会った感想を持たれただろうと思いました。

 

 

次は、失敗者ではなく

成功者として戻ってくる

 

  今、多くの人は人にしてもらうことは、当然と考える人が多い中、経営者として独立することの意味は、なんでもやっていいけど

全てが自己責任という経営者感覚を持っている渡辺さんのような若者に出会うのは、経営者からすると砂漠で出会ったオアシスの

ものではないかと想像するからです。渡辺さんは、株式会社ドーガンで地域の企業再生などの実務に携わる中で、二度目の事業立ち上げを

心に誓いながら、30歳になる前になんらかのビジネスを自分自身の再生に向けて動き始めたそうです。印象的だったのはその時に

次は、失敗者としてではなく、成功者としてベンチャー起業論に戻ってくると決意したと言ってくれたことでした。

 

 

彼の決意通りに

成功話をもって戻ってきた!

 

 今回彼は、彼の決意通りに、成功者として、戻ってきてくれました。その成功話も私にとってとても勉強になることばかりでした。彼は、次の舞台はアジアだと考え、まずは、英語を学ぼうと思ったそうです。それで、マンツーマンの英語の学び場について調べた結果、フィリッピンでの語学合宿がかなりコストパフォーマンスが高いことがわかったそうです、アメリカや、ヨーロッパの場合、移動費や生活にかなりの費用がかかりますが、フィリッピンの場合、滞在費、レッスン費用、食費などを含めても一ヶ月30万円弱であり、生活の快適さには、少し問題があったものの、教育の質に関しては、とても満足したそうです。当時は業者の多くは韓国企業が多く、食事は全てキムチの変形みたいなもので、辛すぎるとかの住環境も日本人には違和感があるものだったそうです。そこで、独自のプログラムで、創業したというのですが、彼の話の中で私が、特に感動したのは、住居や食事などを日本人好みに変えただけでなくプログラムの内容を質重視に変えたということです。彼の話がわかりやすいのは、「戦略は引き算」にありということで語学学校から教科書を捨てたということがとても素晴らしい決断だと感じました。語学を学びたいと考える人はさまざまな動機から学ぶのですが置かれた立場によって学びたい理由が違うから教科書では対応できないというのです。また語学学校の先生をフィリッピン人は人件費が安いからという理由で採用するのではなく、教え方が上手い人を選考し、英語の先生としてではなく「コンサルタント」として

いろんな相談に乗れるような人、教師ではなくコーチのような形で、本人の目的を伴走して達成することを目指すというのです。お陰で、競合がコロナで退場していく中、オンラインにシフトしながら、お客さんのニーズに応えることでマーケットに残ることができたというのことです。

次回の講義と言っても、今日がその日ですが、5月6日は映画監督の錦織良成さんです。

錦織監督は、日本の原風景の映画を島根を舞台にとって来られました。コロナの影響で公開が遅れておりましたが、「高津川」という島根の清流を舞台にした映画が2月11日から公開中です。 これまで、白い船、ミラクルバナナ、レイルウェイズ、うん、何?、渾身など日本の自然、地域、文化の魅力をどのような思いで、映画を撮り続けて来られたかをわかりやすく話してくださいます。

講義は5月6日10時40分から14時半

(12:10分から13時までの昼食時間を除く)

教室はAB01

ZOOMで参加する人は

ID:7176563939

Pass: 717656

を見て下さい。

2022年5月6日 阿比留正弘

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