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2022年06月24日講義

  レオス・キャピタルワークス(株)代表取締役社長兼CIO

藤野 英人 氏

いつもお世話になっている皆様へ

6月24日の講師はレオス・キャピタルワークス株式会社の代表取締役 会長兼社長 最高投資責任者である藤野英人さんでした。藤野さんの講義はとても、人気で、メンターの永野さん、有吉さん、大城さんなども講義に参加してくれました。また今回は、藤野さんの奥様も参加してくださりとても嬉しかったです。永野さんは、最高の長期投資は、「ありがとう」をいうことだと教えてもらい、実践したら、永野さんの奥さんとの関係が劇的に向上したとのことで、コンビニやバスの乗り降りなどいつも周囲の人に「ありがとう」を言い続けて、仲間を作り続けておられます。私は、「藤野さんは奥様にも「ありがとう」をいっておられますか?」と奥様に直接聞くことができ、奥様から、「毎日主人からありがとうを言われて、幸せです」という言葉が帰ってきて、とてもほっこりした気分になりました。

なんと!日本のタンスや壁や庭の土の中に

100兆円が働かず冬眠中

藤野さんの講義は、トマ・ピケティが書いた「21世紀の資本」(みすず書房、2014)を読むと、わかりやすいと思います。ピケティは、18世紀まで遡ってデータを分析した結果、「r>g」という不等式が貧富の差が大きい欧米において成り立っていることを実証的に証明しました。ここで、rは資本収益率であり、gは経済成長率です。つまり資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも大きいとことを示しています。しかし、日本においては、金融資産(1845兆円)の内、54.2%である1000兆円は現金でもたれています。そのうち、100兆円は利子を産まないタンス預金でもたれているそうです。

驚いたのは、文字通りタンスに持っていたり、壺の中に入れていたり、壁や土の中に埋めている人も多いそうです。家族などの近親者にも秘密にしており、認知症などで、存在を忘れてしまうことも少なくないそうです。米国では、金融資産(87兆ドル)の半分程度は現金ではなく、株式や当信託などいわゆる資本投資に使われているそうです。その差が、日本経済が元気がないこと、米国経済が活気があることにつながっているというのが藤野さんの考えだと思います。

投資は怖い!からの意識改革

 

しかし、このような国民意識が急激に変化するかというと、それほど簡単でないと私は思っています。私は大学卒業後、証券会社に就職し、業界の裏側を見てしまったからです。私は証券外務員の資格を取るために、投資家保護の法律を学びました。しかし、実務の実態は投資家保護の精神から大きくかけ離れており、投資家がさまざまな被害を受けているとを知りました。過酷なノルマ、2、3年で担当者は転勤し、お客さんが、クレームをつけても、問題を起こした担当者は転勤していて、その支店にいないなど、顧客からもさまざまなクレームも聞きました。そういうことから、過去に嫌な思いをした人が、現金信仰になってしまったことを理解できないことはありません。

 しかし私が、会社を退職してから45年近く経ち、投資家保護の考えもかなり進んできています。また、澤上さんや藤野さんのような独立系のファンドが多く設立され市民権を獲得しており、私がいた頃とは比較にならないくらい、状況は改善されています。しかし、多くの投資家は過去をひきづっているのも事実です。

 金融投資をしようと思っても、多くの人はどこに投資していいか、いつ投資していいか、何を買っていいのかもわかりません。そこで、出てくるのが、安心安全な投資(理想の投資信託)です。藤野さんは、理想の投資信託の設立によって、SDG’sでいうところの貧困からの脱却を目指しておられるます。

 

 

オススメ投資ナンバー1は、

0コスト無課税の「ありがとう」

 

今回の講義のテーマは「投資の力で日本を根っこから元気にする」というものでした。逆に言えば、日本は元気でないと言われています。藤野さんが根拠とされたのが、自分の勤務先に対する信頼度の国際比較です。これによれば、インドネシアが一位で92%、2位がインドで89%です。日本は60%で28カ国中27位だそうです。藤野さんはデフレ時代の「低価格競争の激化」は、サービスの価値を下げ、仕事の価値を下げたと言われます。仕事の価値が下がり、仕事嫌いになり、投資嫌いになり、労働嫌いになるというようにみんな繋がっているわけです、この負のスパイラルをどうやって止めるか、誰でもできることがあると藤野さんは言われます。それが「ありがとう」です。いくらありがとうと言っても、誰にも怒られません。ありがとうを言ったからとって、税金がかかるわけでもありません。いつでも、どこでも、誰にでもありがとうは言えます。コストもかかりません。ありがとうで、労働大好き、会社大好き、投資大好きのプラスのスパイラルを起こそうというのが藤野さんの提案です。ぜひ、この提案には乗りたいと思っています。いろんな人に勧めたいと思っております。

 

次回の講師は大倉紀子さんです。ベンチャー起業論がスタートした時からの唯一の講師です。大倉さんとの出会いは、1998年に行われた通産省主催の「若者会社を作ろう」という全国縦断のシンポジュームを福岡大学で開催した時に始まりました。私はたまたま、コーディネータを任され、キースピーカーに株式会社アントレプレナーセンター代表取締役福島正伸さん、パネルディスカッションにたまごっちの発案者である横井昭裕さん、当時インディゴ株式会社代表で、東大生でもあった孫泰藏さん、そして大倉さんがおられました。つまり、大倉さんはベンチャー起業論の誕生に立ち会ってくださった方ということになります。

7月1日10時40分から14時半(12:10分から13時までの昼食時間を除く)

教室はAB01

ZOOMで参加する人は

ID:7176563939

Pass: 717656

2022年6月27日 阿比留正弘

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