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2021年 11月26日講義

㈱久原本家グループ 代表取締役社長 

河邉 哲司氏

いつもお世話になっている皆様へ

売上500倍、驚異的な成功者

 今日は、まとまった時間が取れるので、連続して、先週の講義を担当してくださった河邉哲司さんの講義について、書きたいと思います。河邉さんは、福岡大学のOB「商学部)であり、いつも講義も冒頭で学籍番号を言われます。福岡大学の学籍番号は学部学科コードの後に入学年で構成されているので、入学年度と学部学科が学籍番号からわかるようになっており、学生も学籍番号を聞くと、先輩としての親しみが湧くような仕組みになっています。

 また、河邉さんはいつも講義のときは自社商品を学生全員に配ってくださるので、学生も

この講義を楽しみにしています。今年は、長芋と卵でできる博多発和風だし香る山芋鉄板キットとじゃがいも2個でできる博多発めんたいポテトサラダキットの新商品を頂きました。私も頂きましたがとても美味しかったです。

 今や久原本家の商品は日本の人気商品となっており、贈答品では、圧倒的な人気を持っています。河邉さんは、創業から127年も続く会社の4代目社長です。もともと醤油蔵さんから始まっていますが、食の欧風化の影響で醤油屋さんの数、生産量は減少の一途をたどっている状況です。そんな逆風の中で、家業を引き継いだ河邉さんは、引き継いだ頃6千万円前後の売上から現在300億円に届こうとしているのですから、500倍に売上を増やすという驚異的な成功者といえます。

モノ言わぬモノにモノ言わすモノづくり

 その河邉さんの講義のタイトルがB型臆病者経営でした。河邉さんの歴史は、ブランド化の歴史と言ってもいいくらいこだわりを重視されています。そのこだわりが、この企業の企業理念となっています。それが「モノ言わぬモノにモノ言わすモノづくり」というものです。また、モノだけでなく、接客にも顧客第一主義が徹底されています。私は、これまでに何度も、久原本家の工場、店舗、応接室、レストランなど行っていますが、いつも感心させられるのがウエルカムカードです。そこには訪問者の名前が書かれ感謝の気持ちに溢れた言葉が書かれています。レストランで食事をするとそのランチョンマットにも一人ひとりの名前が書かれており、感動的な言葉が書かれているのです。また、お店を出るときもお客さんの姿が見えなくなるまで、お店の人がお見送りしてくださり姿に感動しない人はいないのではないかと思います。

 河邉さんはブランドとは、へんぴな場所に感動的な古民家を移築した本店や途中不安になり、道を間違えたのかなと思うような場所に突然現れる茅葺きのレストランにお客さんを呼び込むマグネットのような吸引力のことだと言われます。現在、日本は世界の中では物価が最も安い先進国になっています。値引き競争で、疲弊している日本の中にあって、ブランド力を武器に自分で価格を決定できる立場になることは日本再生の切り札にもなると思っており、そのような意味で、久原本家グループの、椒房庵、茅の舎の戦略を講義でお聞きすることができたことは、とても参考になりました。

諦めたときが失敗だけど、私は諦めなかった

 河邉さんはブランド化に成功されていますが、簡単にブランド化ができたわけではありません。河邉さんが振り返って、役にたった経験として、お父さんから、結婚直後にJC「青年会議所)の活動への参加を強制されたことを挙げられておられます。ここで、いろんな経営者との出会いがあり、頼まれたことに対して、「YESから始める」ことを学んだと言われてあります。これを聞いて、10月8日の中村文昭さんの講義を思い出しました。「返事は0.2秒。頼まれごとは試されごと」なんだと実感しました。JCでの活動をキッカケとして、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった地元のデパート岩田屋の中牟田健一さんから出店の誘いを受け自社ブランドの明太子椒房庵を始める切っ掛けとなりました。椒房庵は、北海道の原卵にこだわった明太子を発売するのですが、9年間赤字が続いたと言われました。講義中学生からの質問で、「失敗されたことはありますか?」と聞かれて、「諦めたときが失敗だけど、私は諦めなかった」と言われたのは、やはりそうなんだと納得しました。茅葺きのレストラン茅の舎も4億円かけて作ったということですが、周囲の人は「気が狂ったのか」といわれるような赤字を生み出すレストランと思われていたのが、今では、蛍の季節にはホタルが乱舞する幻想的な雰囲気もあり、予約を取るのが難しいといわれるようなレストランになっています。

 また河邉さんのお話の中でとても心に残っているのは、誕生日は、自分を生んでくれた両親に感謝する日というのもとても心に響きました。また、従業員に対してとても感謝しているとも言われていました。従業員の誕生日には薔薇の花束とメッセージカードを送っていると言われ、藤野さんがいつも言われる、「ありがとうは最高の長期投資」という言葉を思い出しました。また、河邉さんの話の中で、私が惹き込まれた言葉は「花を見て美しいと思うあなたが美しい」です。素晴らしい講義、ありがとうございました。

 

 明日の講義は、先程のタリックの感想でも書きましたが、九州朝日放送の専務取締役である二木清彦さんです。二木さんの話は、ハラハラドキドキ、必見です。

興味がある人は

10時40分から14:30まで(12:10-13:00の昼食中断を含む)ZOOMで、以下のURLでみてください。

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Pass:717656

2021年12月2日 阿比留正弘

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