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ライザップ迎氏.png

2021年4月30日講義

RIZAPグループ㈱ 取締役執行役員

迎 鋼治氏

いつもお世話になっている皆様へ

このメールを送り始めて、今回が3回目になると思いますが、いつもお世話になっているメンターの有吉さんから、とても嬉しいメールを頂きました。有吉さんは、4,5年ほど前からメンターとしてベンチャー起業論に関わってくださり、学生のプロジェクト活動の頭脳として、優しく、そして根気よく、本質的な問題を指摘し、プロジェクトの成功に大きく貢献してくださっております。その有吉さんが、いつも言われているのが、ベンチャー起業論やブレークスルーに関わっていて、よくわからないのが、「そもそもベンチャー起業論、どこから来て、どこに行くの?」だそうです。同じ、疑問をメンターとして10年以上、関わってくださっているメンターの中のメンターである永野さんも同じことを言われます。

 

 この疑問は、私自身、なんとか明確にしなければと思いつつも、手を付けていなかったことで、そのような気持ちからこのメールを書き始めたところでした。ところが、一度送ったメールは受信者のメールボックスに埋没してしまうので。なんとか出来ないものかと思っておるところに、有吉さんがこれまでのメールをもとにWEBページを作ってくださいました。それが次のURLです。

 

https://shuharibt.wixsite.com/kigyouron

 

 できれば、この作業を現役の学生が継承してくれると助かります。

ベンチャー企業論OB初登場

 

 ところで、先週の金曜日は、3回目のベンチャー起業論の講義でした。今回の講師は、ベンチャー起業論の2期生で20年前の卒業生です。ベンチャー起業論の講師としては、ベンチャー起業論のOBは初登場になります。これまで、モルソン・クアーズ・ジャパンの竹崎一雄さんに長年講義をしていただいていたのですが、ベンチャー起業論のOBOGに活躍の場を譲りたいとの申し出から、今年からOBにお願いすることにしたのですが、その最初の講師になります。彼は、迎鋼治君で、私は彼の講義を聞いてとても感動しました。

「バカでいいんだ」で背中を押された

 

 というのも、学生時代の彼は、笑顔と人懐っこさはあるものの、講義やベンチャー起業論のプロジェクト活動においても、お世辞にも優秀とは言えない人でした。私が、学生時代に彼に行った言葉で覚えているのは「お前はバカだから」という接頭語で、それを聞いている迎くんもいつもそれを嬉しそうに聞いていました。今回、彼がしみじみと語ったのは、時折、私に相談の電話とかで、「バカでいいんだ」ということで背中を押されたと言っていましたが、私にとっては不思議な反応だと思いました。

単なるバカではないこと

 

 その彼が、RIZAPという誰でも知っている企業を立ち上げ、育て上げたことも、またとても不思議でした。彼は、大学を卒業と同時に大正製薬という製薬会社に入社し、営業を行っていたのですが、最初の年は、全く営業成績が上がらなかったそうです。そこで、彼は、なぜ売れないのかを徹底的に調べるために、猛烈に勉強したそうです。その結果、気づいたことが、自分のために売ろうと考えている事に気づいたそうです。それから発想を切り替え、営業先の薬局が、何に悩み、どんなことに困っているかを知るために、うまく行ってるところを調べ、それを営業先にために一生懸命に働くことに専念したというのです。そうすると、次第に営業成績があがり、大正製薬の中でNo.2の売上を実現できるようになったといいます。10年ほど働いたところで、高校時代の先輩が経営する健康コーポレーションと言う会社に誘われ、新規事業の立ち上げを任されるわけです。それからの10年間で社名もライザップと親会社の名前を変更するまでに成長しているのですから、迎君が単なるバカではないことになります。

 

 

人が何をきっかけとして、化けるのか

 

 こんな彼をみていると、どんな人が優秀で、どんな人が優秀でないのかの基準がわからなくなってしまいます。私は学生時代の恩師である柴田敬先生がよく、同志社大学の創立者新島襄の言葉として「裁くなかれ」と言われ、この言葉をいつも意識しているのですが、人が何をきっかけとして、化けるのか本当にわかりません。わからないことがわかっているだけです。

 

2021年5月4日 阿比留正弘

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